朗読ボランティア 「杜の音通信」 (2月号)
「雛祭り」 のこの時期に必ず一度は読む、芥川龍之介の 「雛」
これまでも、丸森の 「斎理屋敷」 や 「お茶会」 の席で朗読しましたが、
今年は、高齢者施設のギャラリー杜の音で、朗読ボランティアのメンバーと一緒に読ませて頂きました。
玄関を入ってすぐの広々としたロビーに、ひな飾りが飾られ、私たちを優しく迎えてくれました。
実は、ロビーに飾られていたお雛様が、私の家にあるお雛様とすっかり同じものだったので、
何だかびっくりするやら、嬉しくなるやら・・・・・
「これは或老女の話である」 ・・・で始まるこの作品は、芥川龍之介が32歳の時に発表したもので
江戸から明治へと移り変わる時代に、没落して昔から家に伝わる 「雛」 を手放すことになった
御用商人一家のそれぞれの思いを描いた物語です。
老女が、自分の15歳当時のことを思い出しながら語る というスタイルになっていて
今回は登場人物を、朗読ボランティアのメンバー4人で、役分けしておおくりしました。
会場に集まって下さった皆さんは、身じろぎもせず、じっくりと聞き入って下さいました。
朗読の後、一人の女性が、ご自身の 「雛人形」 の思い出を語って下さいました。
「戦前台湾に住んでいて、戦後引き上げてくるときに、別れを惜しみながら雛飾りを台湾の友人にあげた。
今日、朗読を聞きながら あのお雛様をそして当時のことを思い出した」 というお話でした。
やはり、それぞれに 「お雛様」 の思い出があるのですね。
「お雛様」 も、きっとそれぞれの 「家族の思い出」 を、一緒に見てきているのでしょうね。
それぞれの 「思い出」 にふれた今年の 「雛祭り」 は、ひと際感慨深いものになりました。
朗読ボランティア 「チーム杜の音」
http://www.stage-up.info/cat6/post-60.html
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