朗読劇 「悪女について」 感想文 (弓子)
11月16日(日)、せんだいメディアテークのシアターホールで
ステージ・アップ主催の朗読劇 「悪女について」 が上演されました。
スタッフとして朗読会に参加するのは、昨年に続いて2度目。
今回は演劇に近い 「朗読劇」 という形式で、舞台鑑賞が大好きな私はとても楽しみにしていました。
開場5分前には、すでにチケットを手にしたお客様の長蛇の列ができていました。
受付がスタートした途端、次から次へとお客様がお越しになり、
私はチケットを受け取りプログラムをお渡しすることで精一杯になってしまいました。
客席はほぼ満席。いよいよ朗読劇本番のスタートです。
「朗読劇」 とは言うものの出演者の皆さんはほぼ暗記をされていて、
「読む」 演技ではなく 「語る」 演技をされていたことが、とても素晴らしいと感じました。
固い緊張感が無く、落ち着いて客席に向かっていることに驚かされました。
私は、出演者の緊張と集中力は、客席に鏡のように映し出されると思っています。
出演者が緊張で役に入り込めないと、お客様も物語の世界に入り込むことができません。
逆に、出演者が登場人物そのものになりきって演じていると、その集中力が客席に伝わり、
五感全てでその世界を感じ取ろうとしてくれるのだと思います。
当日の客席は良い緊張感が漂い、お客様一人一人が主人公 「公子」 の人物像に
迫ろうとしている空気が伝わってきました。
出演者が一人ずつ、主人公 「公子」 を語る形式で物語は進んでいきます。
私は、出演者の皆さんが全員一人二役以上をこなしていることに感心してしまいました。
大きな体の動きを付けずに、声色の変化とさりげないしぐさの違いだけで人物を演じ分けることは、
とても難しいことだと思います。
私の好きな落語の世界でも 「上下(かみしも)を切る」 という手法があり、
首を左右に振ることで人物を演じ分けます。
今回の朗読劇は、ちょうど落語を聞いているようなおもしろさがあり、
それぞれの 「公子」 の表現の仕方の違いを楽しむことができました。
今回の朗読会で学んだことは、物語の世界を作り上げる表現力の大切さです。
私が今勉強している披露宴の司会にも通じるものがあると思います。
新郎新婦にとってかけがえの無い夢のような一日。
その一日を存分に楽しんで頂くためには、ご希望にぴったりの世界を作り上げなければいけません。
主役のお2人が違えば、その世界も180度違うものになると思います。
今回の朗読会を通して、お2人の望む世界を具体的にイメージし、
的確に表現することができる司会者になりたいと実感しました。
これからも日々精進を重ねると共に、
今回のような朗読劇や演劇などの素晴らしい作品に触れることで、
様々な表現の手法を学んでいこうと思いました。