朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H30年10月号)
平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
10月は、東 直子:作 「とりつくしま」 より、以下の3作品を朗読しました。
① 「ロージン」
② 「青いの」
③ 「マッサージ」
この作品は、10月28日に、せんだいメディアテークで 「朗読劇」 として上演するもので、
今回上演の8作品の中から3作品を、先月に続き杜の音の皆さんに聞いて頂きました。
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① 東 直子:作 「とりつくしま」 より 「ロージン」 (朗読:宮崎 幾野さん)
「あなたは、とりつくものを探している気配をおおいに出しています。
あなたが、その気配を出している内は、この世にある何かにとりつくことができるのです」
「陽一の側にいたいです。せめて最後の公式戦をみとどけられるくらいに・・・・・」
中学生の息子を残して、病気で亡くなった40代の母親は、
息子が使っているロージンバックの中の粉 「ロージン」 になって、息子の試合を見守ります。
「ピッチャーマウンドに、陽一が戻ってきた。
私は、陽一の手のひらの中で、はずんだ。たくさんの私が、空中に飛び散った」
実際に息子さんを持つ宮崎さんが、息子を思う母親の気持ちを、野球の試合の臨場感と共に熱く演じてくれました。
杜の音の皆さんも、手に汗握って熱心に耳を傾けてくれました。
★宮崎さんの感想
今回は10月28日に朗読会で読む作品を、直前に読ませていただきました。
杜の音で朗読劇を聴いていただくのは、私にとって珍しいことです。
移動があったり身ぶり手ぶりがあったりと目まぐるしくかわるシーンに、
いつものようにうなずきながら、時に表情をかえながら聴いていただきました。
いつものように 「温かい目で見て」 「温かい耳できいて」 いただき、
場面ごとに変わるその場の雰囲気を、一緒に作っていただいているように感じました。
出来るだけわかりやすく伝わるように・・・という思いで読んだつもりですが、
杜の音の皆さんが頷きながら聞いて下さったので、嬉しかったです。ありがとうございました。
10月28日の公演も、頑張ります!! ぜひ、皆様お越しください!!
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② 東 直子:作 「とりつくしま」 より 「青いの」 (朗読:奥村 志都佳さん)
「つまり・・・君は死んでしまったんですよ。
君は今、なりたいモノになれるのです。なりたいな・・・と思うモノを、一つだけ言ってみて下さい」
「じゃあね、青いのになる。上がるんだよ!いちばん高くて、いちばんすごいんだよ!」
幼稚園の男の子は、大好きだった公園の 「青いジャングルジム」 になって、
友だちやお母さんが遊びに来てくれるのを待ちます。
「ママ、だいじょうぶだよ!だって、ぼく、これになれたんだもん!
大好きだった 青いのになれたんだもん!」
男の子の無邪気な想いと、我が子を亡くしたお母さんの気持ちを、奥村さんがうまく演じ分けてくれました。
杜の音の皆さんも、目頭を押さえながら、聴き入ってくださいました。終わった後で、拍手を頂きました。
★奥村さんの感想
ぼくはみんなからは見えないの?
ほら、青いのになったんだよ! すごいでしょっ!
ママ!青いのになったよ! みなちゃんと一緒に遊べるよ!
5さいのジュンくんから見える景色が目に浮かんでくれたらと、心を込めて取り組みました。
うんうん、と頷きながら聞いてくださった方、読み終わってからいただいた拍手、ありがとうございました。
景色が、表情が浮かんでくれたら嬉しいです。
本番も、伝えたい人を思いながら全身でつとめます! 応援してください!!
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③ 東 直子:作 「とりつくしま」 より 「マッサージ」 (朗読:佐藤 稔)
「いや! モノとかそういうのじゃなくて、もう1回、おれを生き返らせてくれないですかね!」
「おれ、やっぱり、ほんとに、死んだんだなあ」
「おれの人生って、なんだったんだろう・・・」
病気で突然亡くなったお父さんは、ボーナスで奮発した 「マッサージチェア」 になって、家族を見守ります。
「おれは、結婚をこんなカタチで終わらせてしまったが、
おまえは、これからも生き続けるんだよな。この部屋に、光をともして・・・・・」
不器用ながらも、家族を思うお父さんの気持ちを、佐藤さんがあたたかく演じてくれました。
杜の音の皆さんも、頷きながら聴き入ってくださいました。
★佐藤さんの感想
杜の音での朗読、2回目のチャレンジです。
朗読劇の本番前に、杜の音の皆さんの前で読む機会が得られたのは、非常に有難いことでした。
この事を、経験の少ない私にとって、この上もない賜物と思い、
これを糧にして、本番での活躍を目指したいと思います。乞うご期待!!
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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。
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