朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H30年12月号)
平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
12月は、以下の5作品を朗読しました。
① おーなり 由子 :作 「ことばのかたち」
② 岡山県の民話より 「夢見小僧」
③ 角田 光代 :作 「彼女のこんだて帖」 より 「かぼちゃの中の金色の時間」
④ 村岡 花子 :作 「紅い薔薇」 より 「黄金の網」
⑤ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」
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① おーなり 由子 :作 「ことばのかたち」 (朗読:加藤 順子さん)
おーなり由子さんが、ほんわりと丁寧に描いた、ことばについての絵本。
色鮮やかな、美しく可愛らしいことばのかたちが、あっという間に読む人の心を捉えます。
もしも 話すことばが目に見えたとしたら うつくしいことばは 花のかたち?
ありふれているけど 嬉しい シロツメクサのようなことば?
声によって色がかわるとしたら。
しずかな声なら 青い花 やさしい声は さくらいろ
思いもよらないことばが 相手に刺さるのを見ることになるかもしれない
みじかい正直なことばが こころの湖のふかい場所に すうっとさしこむかもしれない
花がうたいますように ひかりがわらいますように
かなしみが ぬれたみどりの葉っぱのように まもられますように
たいせつなひとに 花のようなことばを とどけることが できますように
おーなりさんが詩と絵で見せてくれるのは、ことばのむこうにある気持ち。
たいせつな人と交わす心のかたち。
私たちは、こんなにも豊かなやりとりをしているんだと気づかせてくれます。
子どもから大人まで、一度立ち止まって、ゆっくりと体で感じてほしい作品です。
今回、杜の音初参加の加藤さんが、おーなりさんの言葉の世界を、丁寧に表現してくれました。
杜の音の皆さんも、絵本を見ながら、聴き入って下さったようです。
★加藤さんの感想
かねてより挑戦してみたいと思っていました杜の音のボランティアに、初めて参加させていただきました。
読み始める前は、レッスンで長野先生から受けたアドバイスやヒント、読みのお手本を頭に浮かべてイメージしていましたが、
いざ本番となると舞い上がってしまったか、夢中になってしまったか、自分がどう読んだか正直なところあまり覚えていません。
かろうじて、聴いて下さっている杜の音の皆様のお顔を、見ることは出来ました。
最前列で、頷きながら笑みを浮かべて聴いて下さってる女性の方がとても印象的で、本当に有り難いと思いました。
終了後も温かいお言葉をいただきました。平成最後の年の瀬、大変貴重な経験ができました。ありがとうございました。
これからも 「継続は力なり」 のことばを胸に研さんに努めたいと思います。
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② 岡山県の民話より 「夢見小僧」 (朗読:堀 多佳子さん)
正月二日の夜に見る夢 「初夢」
「一富士二鷹三なすび」 をはじめ 「白蛇」 の夢なども、縁起がいいとか。
不思議な初夢をみた若者が、親や主人からその内容を聞かれますが、
「よい夢は人にかたるな」 という言い伝えを守ったため、家を追われてしまいます。
その後、様々な苦難を乗り越えて、初夢のとおりの幸せな結婚をする、という話。
「正月二日に見た夢は、両手に妻をしたがえて、黄金の橋の渡り初め」
正夢となったのは、2軒の長者の婿となり、両家の間に金の橋をかけて、ひと月ずつ通うというモノでした。
今回は堀さんが、登場人物の声を使い分けて、表情豊かに読んでくれました。
杜の音の皆さんも、新しい年に思いを馳せながら、楽しそうに聞いて下さいました。
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③ 角田 光代 :作 「彼女のこんだて帖」 より 「かぼちゃの中の金色の時間」 (朗読:松高 玲子さん)
舌にも胃袋にも美味しい料理は、幸せを生み、人をつなぐ。
食にまつわる14話の短編集で、それぞれの登場人物が、全作品を通して何かしら関わり繋がりがある、連作になっています。
巻末のレシピも、エピソードに出て来る料理のレシピなので、料理のイメージも楽しめます。
今回は、仕事で多忙の母親特製の 「かぼちゃの宝蒸し」 を、杜の音初参加の松高さん が読んでくれました。
杜の音の皆さんも、目を細めながら聞き入って下さいました。
★松高さんの感想
初めての経験を終えて、安堵と軽い疲労感でおります。
先生から私が 初めての杜の音での朗読だと聞くと 杜の音の皆さん優しく微笑んで迎えて下さり
母のような心地良い温かさに見守られながら 拙いながらも 無事に朗読を終える事が出来ました。
まだ、今回の自分の朗読を 分析反省出来るような経験も力もありませんが、
これからも、杜の音の皆さんに喜んで頂けるような作品を朗読出来るよう 勉強して行きたいと思っております。
今後も 宜しくご指導をお願い致します。
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④ 村岡 花子 :作 「紅い薔薇」 より 「黄金の網」 (朗読:長野淳子)
「赤毛のアン」 の翻訳者として知られる 村岡花子さん
彼女は一粒種の最愛の息子さんを亡くし、想像もできない悲しみから立ち上がり、翻訳や童話などの執筆をしました。
クリスマスツリーに金モールが飾られるようになったわけを描いた 「黄金の網」
敬虔な クリスチャン である彼女の、深い慈悲と慈愛が感じられる作品です。
クリスマスに近いこの時期、この作品を通して、彼女の生きる姿勢のようなものをお伝えできたらと思いました。
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⑤ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」 (朗読:全員で)
「太陽がのぼること」 で始まるこの詩は、
「当たり前に思えてしまうこと その一つ一つが 本当は奇跡」 という内容で、
ステージ・アップの朗読会でいつも最後に、参加者全員で読んでいる詩です。
「杜の音」 でも、いつも結びに全員で、音楽にのせて読みます。
「毎回この詩を朗読するのが楽しみです」 という方もいて、
「お友達にもコピーしてプレゼントしました」 とおっしゃって下さいました。
毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。
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