朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H30年8月号)

  
長野淳子 [posted:2018.08.30]

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
8月は、以下の3作品を朗読しました。


① イ・スジン:脚本・絵 「韓国の昔話」 より 「りゅうぐうのくろねこ」
② 川端 誠:作・絵 落語絵本 「ときそば」
③ 久世 光彦 :作 「触れもせで」~向田邦子との二十年~より 「遅刻」「ゆうべの残り」


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① イ・スジン/脚本・絵 「韓国の昔話」 より 「りゅうぐうのくろねこ」  (朗読:八幡 靖子さん)


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むかし、ヤイ という女の人がいました。木を売るのが仕事でしたが、毎日あまり売れません。
ヤイは、だれかの役に立つことをねがい、のこった木を海辺へおいていきました。
すると数日後、目の前に魚があらわれました。竜宮に招待されたヤイは、ふしぎな くろねこ をもらって...。


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教育紙芝居の生みの親、高橋五山 の業績を記念して設けられた 「五山賞」
第50回五山賞を受賞した作品を、今回は、八幡さんが読んでくれました。
杜の音の皆さんも 「韓国の昔話」 を、興味深そうに聞き入って下さいました。


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② 川端 誠:作・絵 落語絵本 「ときそば」   (朗読:田中 憲子さん)


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屋台のそば屋に立ち寄った男、そば屋をおだてるだけおだてて、そばをたいらげ、さて、お勘定となり...。
小銭しかないからと、1枚ずつ出しながら 「いま何時だい?」 と聞き、そばの支払いをごまかします。


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それを見ていた別の男が、次の日同じようにごまかしてやろうという魂胆で そばを食べるのですが・・・・・
人間の善と悪が、うまくお話しにされているのは 昔話も同じですね。


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落語といえばこの話、という位、有名なお話。
江戸っ子のきっぷの良さと、落語調のテンポの良さを、今回は田中さんが持ち前の明るさで、小気味よく表現してくれました。
杜の音の皆さんも、絵本を見ながら楽しそうに聞いて下さいました。


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③ 久世 光彦 :作 「触れもせで」~向田邦子との二十年~より 「遅刻」 「ゆうべの残り」   (朗読:長野 淳子)


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演出家であり、作家としても見事な作品を残した 久世光彦氏 による、脚本家 向田邦子さん との思い出を綴ったエッセイ。
「触れもせで」 というタイトルが実に意味深です。


◆「遅刻」
あんなに約束の時間にいい加減な人も珍しかった。私はいつもあの人を待っていた。
◆「ゆうべの残り」
人の世の毎日は 「ゆうべの残り」 を引きずりながら、次の日へ、また次の日へとつながっていく。


二十年のパートナーなればこその知られざる "向田邦子の素顔" が明かされます。


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「触れもせで」 とのタイトルといい、全編を覆うトーンといい、まるで亡き恋人に捧げた 「恋文」 のようです。
セピア色に包まれたエピソードのひとつひとつを、久世さんが宝物のように慈しんでいる姿が伝わってきます。


向田さんが台湾での不慮の飛行機事故で亡くなってから30年以上の年月が経ち、久世さんが亡くなってからも数年が経過しました。
お二人とももっと長生きして多くの作品を残して欲しかったというのが偽らざる心境です。
杜の音の皆さんも、ご自身の人生と重ね合わせながら、しみじみと聞き入って下さいました。


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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


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