朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H31年3月号)
平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
平成31年3月は、以下の4作品を朗読しました。
① 川端 誠 :作 「落語絵本」 より 「まんじゅうこわい」
②「子どもとよむ日本の昔ばなし」 より 「花さかじい」
③ 向田 邦子 :作 「男どき女どき」 より 「嘘つき卵」
④ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」
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① 川端 誠 :作 「落語絵本」 より 「まんじゅうこわい」 (朗読:田中 憲子さん)
川端誠氏 落語絵本シリーズの1冊。
長屋の若い衆が集まって 「きらいなもの」 の話に。
へび、たぬき、クモ、こうもり、毛虫、アリ...。
でも松つぁんだけは、きらいなものがないらしい。
おっと、ひとつだけ...名前を聞くのも言うのも見るのも、こわいのが、なんと 「まんじゅう?!」
上用まんじゅう、唐まんじゅう、薄皮まんじゅう、酒まんじゅう、温泉まんじゅう、蕎麦まんじゅう、田舎まんじゅう、ふまんじゅう、
かるかんまんじゅう、栗まんじゅう、よもぎまんじゅう、揚げまんじゅう、あんまんじゅう、肉まんじゅう、紅白まんじゅう、そうしきまんじゅう
みんなで、まんじゅうを集めて、松つぁんをおどかすことに...。
おなじみの古典落語と、川端さんの絵の相性が、何とも言えずいいですね!!
今回は田中さんが、江戸っ子のきっぷのよさを、テンポよく読んでくれました。
杜の音の皆さんも、おなじみの落語と絵本を見ながら、楽しんで下さったようです。
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②「子どもとよむ日本の昔ばなし」 より 「花さかじい」 (朗読:小笠原 清子さん)
ある日、じいはかわいがっている犬を連れて山へ行きました。
犬が 「ここほれ、ワンワン」 というので、ほってみると、中から 「大判小判がざっくざく」
それを見たとなりのばあは......。
おなじみの昔ばなし 「枯れ木に花を咲かせましょう!」 の 「花咲かじいさん」
「心優しいおじいさん夫婦」 と 「欲張りで意地悪なおじいさん夫婦」、この対比はまさに日本の昔話ですね!
ふくだいわおさんの絵が、なんとも微笑ましい雰囲気を作っています。
今回は、小笠原さんが 「昔ばなし」 のスタンダードを、きちんと伝えてくれました。
杜の音の皆さんも、久しぶりに聞く 「昔ばなし」 に、童心に返ったようでした。
★小笠原さんの感想
早春のやわらかな日差しにつつまれたギャラリー杜の音は、穏やかな時間がながれているようでした。
今回の作品は 「ここほれわんわん」 と 「枯れ木に花を咲かせましょう~」 でおなじみの 《花さかじい》 のお話しです。
心優しいおじいさん(じい)おばあさん(ばあ)と、意地悪な隣りのじいとばあ、一匹の可愛い犬、そして殿様も登場します。
心がほっこりする昔話は、読んでいて気持ちが和みますね。
そして勧善懲悪の内容が、また昔話らしくて趣があり、忘れかけていた道徳の心などが垣間見れ、
朗読をしていて良かったなと思います。
とても暖かな一日、杜の音の皆さまの優しい眼差しのなか、朗読をおきかせすることができ、
嬉しい気持ちでいっぱいになりました。皆さま、ありがとうございました。
そろそろ花便りもきかれる頃となりましたが、どこかに咲かない木がみつかりましたら、花さかじいを呼んでみたいですね🌸
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③ 向田 邦子 :作 「男どき女どき」 より 「嘘つき卵」 (朗読:長野 淳子)
「男どき女どき」 とは、世阿弥の 「風姿花伝」 の中にある言葉で、
何事も成功する時を男時、めぐり合わせの悪い時を女時といい、
「人生は、思いのままになる時もあれば、ならない時もある」 という意味です。
平凡な日常生活の中の 「ささやかな幸せ」 と、その隙間に隠れている 「小さなトゲ」 を見事に描いた、向田さん 最後の作品
30年以上も前に書かれた作品なのに、時代を超えたテーマが、心に響きます。
先日、東京の八重洲朗読会で読んだ作品を、杜の音の皆さんにも聞いて頂きました。
皆さん、じっくりと耳を傾けて下さいました。
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④ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」 (朗読:全員で)
「太陽がのぼること」 で始まるこの詩は、
「当たり前に思えてしまうこと その一つ一つが 本当は奇跡」 という内容で、
ステージ・アップの朗読会でいつも最後に、参加者全員で読んでいる詩です。
「杜の音」 でも、いつも結びに全員で、音楽にのせて読みます。
「毎回この詩を朗読するのが楽しみです」 という方もいて、
「お友達にもコピーしてプレゼントしました」 とおっしゃって下さいました。
毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。
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