朗読ボランティア 「杜の音通信」 (令和元年11月号)
平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
62回目 を迎えた令和元年11月は、以下の4作品を朗読しました。
① 西本 鶏介 作・狩野 富貴子 絵 「さよなら、おばあちゃん」
② 「君へ。つたえたい気持ち三十七話」 より 「教えない」
③ 向田 邦子 作 「男どき女どき」 より 「嘘つき卵」
④ 矢野 竜広 作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」
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① 西本 鶏介 作・狩野 富貴子 絵 「さよなら、おばあちゃん」 (朗読:田中 憲子さん)
魂の救いとは何か。
大切な人との別れを、情感豊かに描いた心あたたまるお話。
お腹の手術をして入院しているおばあちゃんの病院へ、孫のまこと君がお見舞いに来ました。
お父さんやお母さんには内緒で、家にある 「観音様」 を持ってきたのです。
元気になってほしいという家族みんなの願いもむなしく、
おばあちゃんはおじいちゃんのところへ旅立ってしまいました。
悲しみに暮れる家族でしたが、おばあちゃんが観音様になって、いつも見守ってくれるとを思って、
家族仲良く暮らしていこうと、心に決めるのでした。
今回は、狩野 富貴子さんの優しいタッチの絵も見て頂きながら、田中さんが丁寧に読んでくれました。
杜の音の皆さんも、じっくりと聴き入って下さいました。
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②「君へ。つたえたい気持ち三十七話」 より 「教えない」 (朗読:福山 郁江)
「コミュニュケーション」 をテーマに、37名の作家たちによる ショートストーリー集。
「誰かへ伝えたいメッセージ」 を主題に、電話、FAX、メール での心の触れ合いが美しい作品集です。
「おとこ、だけの、はなしがあるんだよ」
三歳の息子の口から、唐突に出た言葉。
見れば、妙にこわばった表情で、すぐにも、いわゆる男同士の話という意味だとわかった。
どんなに文明が進んでも、大切なことは変わらない と気付かされるエッセイ。
今回は福山さんが、藤澤 周 の世界を優しく届けてくれました。
杜の音の皆さんも、父親と幼い息子のやりとりに、目を細めながら聴き入ってくださいました。
★福山さんの感想
以前、杜の音ボランティアの見学を拝見したことはあったのですが、今回初めて朗読をさせていただいて、
いつものレッスンとは違う、見られている緊張感がありました。
うんうんと頷きながら聴いて下さる方、微笑みながら聴いてくださる方、
みなさんの表情を見ながら読むことが出来る、貴重な経験となりました。
これからも皆さんに楽しんでいただける朗読ができるように、レッスンに励みたいと思います。
機会がありましたら、また参加したいと思います。ありがとうございました。
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③ 向田 邦子 :作 「男どき女どき」 より 「嘘つき卵」 (朗読:長野 淳子)
「男どき女どき」 とは、世阿弥の 「風姿花伝」 の中にある言葉で、
何事も成功する時を男時、めぐり合わせの悪い時を女時といい、
「人生は、思いのままになる時もあれば、ならない時もある」 という意味です。
平凡な日常生活の中の 「ささやかな幸せ」 と、その隙間に隠れている 「小さなトゲ」 を見事に描いた、向田さん 最後の作品
30年以上も前に書かれた作品なのに、時代を超えたテーマが、心に響きます。
この作品は、12月の朗読会で読む予定の作品ですが、
今回は、朗読会に先駆けて、杜の音の皆様にお聞きいただきました。
読み終わった後、「向田さんの作品は、聞きごたえがありますね」 という感想を頂きました。
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④ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」 (朗読:全員で)
「太陽がのぼること」 で始まるこの詩は、
「当たり前に思えてしまうこと その一つ一つが 本当は奇跡」 という内容で、
ステージ・アップの朗読会でいつも最後に、参加者全員で読んでいる詩です。
「杜の音」 でも、いつも結びに全員で、音楽にのせて読みます。
「毎回この詩を朗読するのが楽しみです」 という方もいて、
「お友達にもコピーしてプレゼントしました」 とおっしゃって下さいました。
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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。
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