「朗読~それは自分の在り方を 振り返る瞬間」 (Kiyoko)
星空が美しい季節となった 12月3日
ステージ・アップ主催の朗読会 ライブリーディング vol.6 「ブーケ」 が開催されました。
天候にも恵まれ、暖かく穏やかな一日となり、多くのお客様にお越しいただき、心より感謝申し上げます。
今回は、大橋鎮子さんのエッセイ 「すてきなあなたに」 を、3人で朗読しました。
大橋鎭子さんは、生活情報誌 「暮らしの手帖」 の創刊者として長年活躍された方で、
NHK の連続テレビ小説 「とと姉ちゃん」 でもおなじみになりました。わたしも大好きで楽しみにドラマを観ていました。
この「すてきなあなたに」 は、日々の出来事が大橋さんの優しい目線で描かれ、
何気ない暮らしのひとコマに懐かしさが感じられる作品で、今も多くの方々に愛されています。
今回私が読ませていただいたのは、
★日常の中での思いがけない出来事を綴った 「交差点の笑顔」
★小さい時に聞いた祖母の話を思い出す 「ちっちゃな鬼」 の2作品。
《交差点の笑顔》
ある時、信号が青だったので急いで交差点を渡ろうとした時、信号が変わってしまいました。
慌てて後ろへ下がった拍子に、後ろの人に思いきりぶつかってしまったから、さあ大変......
当然、怒られるだろうと覚悟しながら後ろを振り返ると......なんとそこにあったものは 「笑顔」 だったのです。
《ちっちゃな鬼》
ある静かな夜のこと。ボタンの緩みかけた服がいくつかあったので、針箱を出しました。
ボタンをつけて糸を切ろうとすると......なんと、ハサミがないことに気づきます❗
ハサミを探しているうちに、小さい時におばあちゃんが話してくれたことを、ふと思い出すのです。
そこにおばあちゃんがいて、お話を聞かせてくれているかのような懐かしさと、そこから広がる大橋さんの世界観が私は好きです。
忘れていたことを、何かのきっかけで思い出す、その瞬間の感覚が私は好きです。
目に映るもの、目には見えないもの、匂いであったり、音楽であったり
誰にでも小さい頃があり......今のわたしがあるように......そんな私の在り方を、振り返る瞬間のような気がします。
これからの人生では、いったいどれくらいのことに気づくことができるのだろうと......不思議な気持ちになります。
そして、日々の暮らしに紛れてまた忘れられてゆく......こんなことを繰り返し......私たちは過ごしているのかもしれないですね
日常の小さな出来事が、大橋さんの魔法にかけられて、ほんわかとあったかいお話になるところが、愛される理由なのかもしれません。
お聞きいただく皆さまにも、この温かさをお感じいただけましたなら幸いに思います。
ご指導くださいました長野淳子先生......
朗読会に向け、皆で心をひとつに稽古に励んでまいりましたメンバーの皆さん、色々とお世話になりありがとうございました。
そして、受付など細やかな心配りでお客様をおもてなしくださいました、ステージ・アップの先輩方......
こうして皆さまのお力添えのもと朗読会に参加させていただきました......本当にありがとうございました。
長野先生のご指導のもと、多くの方々に見守られ支えていだきながら、朗読会に情熱を傾けることができましたこと、
さまざまな方々と、お客様との出会いと、作品との出会いが明日への力となり、
これからも 「言葉」 を大切に、心をこめた朗読ができるように頑張って参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。