朗読劇 「悪女について」 を振り返って (Kiyoko)
2014年 春
長野先生から、朗読劇 「悪女について」 仙台公演参加のご案内をいただきました。
春を迎え、柔らかく穏やかな季節の訪れに合わせるように
朗読劇参加のステキなご案内をいただき、とても嬉しくお引き受けしました。
届いた台本には、長野先生からのメッセージが添えられていました。
『牧ちゃんは、とにかく元気な役です。次回の顔合わせ本読みまで、読み込み練習をして
元気な牧ちゃんをよろしくお願いします』 とありました。
私の役は、主人公の幼なじみで、元気な雑貨屋のおばちゃん 『牧子』
なんとこの役は、以前長野先生が、東京と横浜の公演で演じられた役でした。
私は長野先生の元気な牧ちゃん役が大好きでしたので、とても嬉しく思いましたが、
(私に、先生の演じたあの牧ちゃん役ができるかなあ?) と、不安な気持もありました。
(でも、本番までには、それまでには、私もなんとかセリフが覚えられるかもしれない。
いや、覚えなければならないのだ) と自分に言い聞かせ、頑張ってみようと思いました。
まず、長野先生から頂いたアドバイスの中に、
【自分のセリフを録音し、生活の中のBGMにする】 というのがありました。
家事をしながら聞いてみたり、ちょっと恥しいのでなるべく一人で家に居るときなどに
BGMに 『牧ちゃん』 のセリフを聞きながら、暮らしの一部に取り入れました。
実際に試してみると、これが程良く頭にはいるというか、耳に残るというか、
私にとっては、効果的な練習方法の一つになりました。
常に、練習~練習~また練習を心がけ、一日の中で一度は読むことを目標に
(実は、日々の生活に忙しく、思うように練習ができなかった時期もあったのですが)
それでもできる限り、少しずつでも、台本の内容を理解しようと続けました。
長野先生は私たちに時に厳しく、そして時に温かく教えて下さいました。
また、演じることが負担にならないようにと気遣いながら、優しく励まして下さいました。
先生はいつも稽古中に 『楽しく演じましょうね~』 と、にっこり笑顔で私たちに声がけをして下さいました。
『楽しくね~』 先生にそう言われると、緊張している心がふわっと軽くなり、
楽しく楽しくと、前向きな気持ちで練習できたのです。
私の 『緊張』 という課題は、なかなかクリアされませんでしたが、
稽古を始めてから数ヶ月が過ぎた頃、台詞が少しずつ頭に入っていくのがわかり、
それは不思議な瞬間であり、不思議な感覚でした。
ただ油断は禁物で、練習を数日休むと、休んだ分だけ後退してしまい、
本当に、小さな積み重ねがいかに大切かという事を、身をもって知りました。
これは、どんな習い事にも言えることだと思いますが、せっかく出来上がったものが後退し、
ひどい時には、振り出しに戻ってしまう場合もあるのです。
舞台監督からも 『一番大切なのは稽古です!練習、練習、練習ですよ!!』 と、私たちは教えていただきました。
『牧ちゃん』 がどういう気持ちでいるのか、『思いを言葉にのせる』 という大切なこと、
物語の重要な鍵となるところや、大事なところを、ご覧いただくお客様の心にとめていただけるような 『話し方』 や 『演技』
更に、私の後に続く 『演技者』 に、つながるような 『演じ方』 や、
稽古の中で、自分以外の方々の演技を見ていて得られる、大切なものもたくさんありました。
ある日の舞台稽古では、以前よりはるかに上達された皆さんの演技に、私は感動しました。
これが、日々の稽古を積み重ねた努力の証なのだと感じました。
それと同時に私の演じる 『牧子』 も、同じように感じていただけるようになりたいと思いました。
こうして、長野先生から 『朗読劇』 のあり方や演技など、様々なことを教えていただき、
私たちは本番へ向けて、心を一つにして稽古を続けました。
そして季節は、春から夏~秋~冬となり
11月16日の本番当日を、無事に迎えることができました。
これは私にとって、それまでのこと全てが学びとなり、貴重な経験となりました。
自分では、やはり緊張しながらの舞台でしたが、『牧ちゃん』 らしさが少しでも表現できていたのなら、幸いに思います。
朗読劇 「悪女について」 を無事に終えることができましたことを、幸せに思っております。
舞台のDVDができあがったら、私自身の前進のために、勇気をだして、楽しく鑑賞をしたいと思っています。
私をここまで支え導いて下さいました、長野先生とスタッフの皆様、 舞台でご一緒させていただきました皆さまに、感謝申し上げます。
そして,当日会場にお越し下さいましたお客様に、心より感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました。