朗読劇 未知へのチャレンジ! (宮崎幾野)
10月28日㈰ ステージ・アップ主催の朗読会に、出演しました。
昨年に続き、2回目の参加でしたが、今回はなんと 「朗読劇」
お芝居をすることを苦手に生きてきた私にとって 「朗読劇」 は未知のスタイルでした。
私の役は、中学生の息子を残して、病気で亡くなった40代の母親。
私は死んだ、らしい。それだけは、分かっている。
運命は受け入れるしかない。仕方がない。それ以外の言葉は、もう、ない。
「あなたは、とりつくものを探している気配をおおいに出しています。
あなたが、その気配を出している内は、この世にある何かにとりつくことができるのです」
「陽一の側にいたいです。せめて最後の公式戦を見届けられるくらいに、一緒にいられれば・・・・・」
「では、陽一くんが公式試合で使うロージンを、あなたのとりつくしまに設定いたします」
「気がついたとき、私はロージンバッグの中にいた。
私は、陽一の手のひらの中で、はずんだ。たくさんの私が、空中に飛び散った」
ホームラン!! 追いつ追われつの、シーソーゲームを、私は陽一の側で見守った。
陽一、落ち着いて。陽一はまた泣きそうな顔を・・・と思ったら、微かな笑みを見せていた。
私がこの世から消えていた間に、陽一はまた少し大きなった気がする。
あ、と思った瞬間、まぶしい太陽の光に刺され、何も見えなくなった。
私は、とりつくしまをなくしたのだ。 あの子は、勝ったの? 負けたの?
ああ、でも、どっちでもいいな。陽一は、とてもよかった。
ほんの一瞬だったけれど、最後にもう一度一緒にいられて、幸せだった。
陽一、ほんとうに、さようなら。夏空の光の向こうに、ゆくね。
長野先生の朗読のご指導は、「気持ちを理解して読む」
ですから、「朗読」 と 「朗読劇」 との距離は小さいと思うのですが、
舞台で大勢のお客様に観ていただくにはどうするのが良いのかも、日々考えながら稽古は進みました。
読み終わって、もっとできることがあったはずという思いはありますが、
お見送りしたお客様に 「私も野球男子の母なので、共感しました」 と言っていただいた時は、
ホッとしましたし、とても嬉しく思いました。
その他にも、来てくださった方から、様々な感想を頂きました。
★ 朗読劇素晴らしかったです!
★ 演者らと相まって素晴らしいものになりました。
★ 早速原作を購入しました。
★ 皆様の熱演に感心致しました!
★ 朗読と言うよりお芝居を見ている様な感じ。
★ 細い体から堂々と発していました。
★ 声がまろやかでした。
★ 粉がふわふわ舞う様が、ものに心が宿る様が、目に見えるようでした。
★ あなたの母親感が出ていました。
★ 情景が目の前に浮かんで来て泣きそうになりました。
長野先生はじめこの舞台を支えてくださった皆様、足を運んでくださったお客様に本当に感謝しています。
ありがとうございました。 (宮崎幾野)