朗読劇 「とりつくしま」 に 「司会」 として参加して (野呂 光江)

  
朗読メンバーブログ [posted:2018.11.22]

2018年、今年のライブリーディングには 『司会』 という役割で参加させて頂く事ができました。

イベント等での司会、ナレーションの経験はありましたが、考えてみれば 『朗読劇』 では初めてのことでした。


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2週間前のリハーサルで 、舞台を全て通しで観た際に、先生を含めた 出演者さん達一人一人の
完成形に仕上がった朗読に、その時点でとても感動しました。


一方、私のナレーションと言えば...。
過去に務めてきた業務を振り返ると、仕事柄ニッコリと笑顔で話すことを求められてきたものばかり。


しかし 『とりつくしま』 は、亡くなった人がモノにとり憑き、大切な人の側に居ながら
その人をそっと見守るという、深遠で含蓄のある物語。


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その空気感に見合うナレーションでなければ... と思いながらも、マイクを前にすると どうしても口角が上がってしまいます。
案の定先生からも御指摘を受け、その後本番までに 劇中で使用するBGMのCDを聴き、
『とりつくしま』 の原作本を読みながら、イメージトレーニングに努めました。


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当日本番。導入のナレーションは、本編へ誘うとても肝心な部分ですから、長くは無いフレーズでしたが 一番緊張しました。
終えて第1話にバトンを渡した瞬間に、後ろの方で、長野先生の小さな声での 「...ヨシっ!」 が聞こえて少しホッとしました。


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演者さん達の朗読は、リハーサルの時よりも更にブラッシュアップされていて、舞台袖から観ていても、素晴らしかったです。


長野先生はラジオのお仕事もしているだけあって、シーンにピッタリの選曲をすることが、本当にお上手です。
今回使用した、ドラマ 『やさしい時間』 のサントラ盤に収録された全20曲の中から、
8作品それぞれに、それ以外有り得ないという様な見事な選曲をされていて、膝を打つ思いでした。


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最後の出演者紹介の際には、その後のお客様お見送りの時間を確保する為にもサラリとする予定でしたが、
私のアナウンスにも 「このメンバーの面々を、今一度御覧ください!」 という様な自慢気な気持ちが働き、
つい力が入ってしまいました。


終演後、私の友人知人からは 「良かったよ~!」 と言ってもらえましたが、感じ方は人それぞれなので、
果たして私のナレーションが、作品と演者さんの造り上げた世界観を壊さぬものだったかどうか、正解は私にも分からないままです。


「BGMと照明も素敵で完成度の高い舞台だった」 との感想も頂き、
私は大分その効果に助けられたのだと思いました。(照明の松崎さん、音響の濱田さん、有り難うございました)


舞台の蔭で見た景色から得たものは
『舞台とは、1人だけが頑張っても成り立たない。演者、演出、スタッフが一丸となって、初めて形になる』
ということ。それを肌で感じ取りました。


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以前の演者としての経験に加え、今回の司会、違った角度から舞台を眺めることができたこの度の経験は
非常に大きなものとなり、お声をかけて下さった長野先生には心より感謝しております。


次回はどの様な作品に取り組むのか、私は 参加する側になるのか、観る側になるのかは分かりませんが、
いずれにしても、今からとても楽しみです。


日曜の貴重なお休みの日に、御来場にお時間を頂いたお客様、
そして温かい拍手をお送り下さり、本当に有り難うございました。  (野呂 光江)