朗読劇 「悪女について」 へのチャレンジ (えり)
舞台袖の狭く暗いスペースでじっと自分の出番を待つ間
心臓がドキッ・ドキッと鳴るのを感じながら 成功を祈りました。
そして、ドアを開け舞台へ進んだときには、もう心臓の音を感じることもなく
レディース・ソサエティの事務員として、客席に語りかけていました。
そこだけ明るく照らされた舞台から 客席にいる一人ひとりの姿は見えず
人の気配に向かって 存在の空気感に向かって語るような不思議な感覚がありました。
初めての朗読劇の舞台でした。
自分の出番を終えたときの安堵感といったらありません。
失敗なく終えられたことと 自分の責任を果たせたこと、その両方の安堵感です。
本番2ヶ月半前
まさかの足の怪我 左足はギプスで固められ松葉杖での生活になりました。
自由に歩けないストレスからか体調もダウンし 気持ちも落ち込んでいきました。
稽古もこれから本腰という時なのに 何ということでしょう。
気軽に出演を取消すことのできないものに参加したことを後悔しました。
しかし、この朗読劇への参加は自分へのチャレンジとして決めたことでした。
他の出演者に迷惑を掛けたくもありません。
「何としても本番には完璧な状態で臨みたい。必ずそうする。」
そう決めて リハビリと稽古に集中していきました。
朗読劇へのチャレンジという目標があったからこそ 怪我と体調不良からも早期に回復し
本番を完璧な状態で(?体調的には)迎えることができました。
今回のこのチャレンジは、わくわく感と 一生懸命取組んだ分の達成感と
一歩上を目指すことの楽しさを教えてくれました。
嬉しいこともありました。
本番の数日前に届いたメールや葉書きです。
「もうすぐだね 楽しみにしています。頑張ってね。」
「今回は行けなくてごめんね。成功を祈っています。」
「予定が変更になって 行けることになったよ。」
友人たちからの温かい言葉に感謝でいっぱいになりました。
朗読劇 「悪女について」 は、私に様々な体験と感動をもたらしてくれました。
一緒に出演した皆様 ステージアップの皆様 裏方の仕事してくださった方々
舞台監督の松崎さん そしてこの朗読劇を企画し指導してくださった長野先生
どうもありがとうございました。