「雛祭り」 の会で 「雛」 を朗読しました。 (長野淳子)

  
朗読メンバーブログ [posted:2014.03.03]

3月2日㈰ 「雛祭りの会」 に、お招きに与かりました。


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「雛祭りの会」 が催されたのは、学生時代の友人が参加している 「ビューティーラウンジ」 で
大きな窓から街並みが見渡せる、開放感のあるサロンでした。


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会場には、メンバーの皆さんがそれぞれに持ち寄った、お雛様がたくさん飾られていて
お母様が手作りなさったという 「千代紙」 の可愛らしい雛人形や、
中には、なかなか手に入れることが出来ない 「堤焼き」 の雛人形もありました。


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そうした中で朗読したのは 「雛祭り」 のこの時期に必ず一度は読む、芥川龍之介の 「雛」
これまでも、丸森の 「斎理屋敷」 や 「お茶会」 の席で、読ませて頂いた作品です。


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「これは或老女の 話である」 ・・・で始まるこの作品は、
芥川龍之介が32歳の時に、中央公論に発表したもので
江戸から明治へと移り変わる時代に、没落して昔から家に伝わる 「雛」 を手放すことになった
御用商人一家のそれぞれの思いを描いた物語です。


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老女が、自分の15歳当時のことを思い出しながら語るというスタイルになっていて、
それぞれの家で時を過ごしてきた 「雛」 の前で読むのに、まさしくぴったりの作品です。


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今回は45分の作品を、20分に編集しておおくりしましたが、
サロン一杯に集まって下さった皆さんは、身じろぎもせず、じっくりと聞き入って下さいました。


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朗読の後、メンバーの方の手作りの品をご馳走になっていると、
一人の女性が私のところにいらして、ご自身の 「雛人形の思い出」 を語って下さいました。


「小さい頃自分の家にも雛飾りがあったが、父の転勤が多かったため持っていくことが出来ず
雛飾りを従姉妹にあげてしまった。その従姉妹も昨年病気で亡くなってしまって・・・・・
今日、朗読を聞きながら あのお雛様に会いたいと思った。
お参りもかねて、従姉妹の家を訪ねてみようと思う」  というお話でした。


やはり、みなさんそれぞれに 「お雛様」 の思い出があるのですね。


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私の家にも両親が買い揃えてくれた、七段飾りの 「雛人形」 が一式あります。
当時は、一段ずつ揃えていくという買い方もできたようで、
我が家のお雛様も、一年目はお内裏様とお雛様、次の年は三人官女、次の年は五人囃と
段々に増えていきました。


5歳下の妹がまだ小さい時、気がつくと雛飾りの前で、妹が一生懸命何かしています。
何をしているんだろうと近寄って見てみると、妹は一つの人形を手にとって、
その顔をペロペロ舐めていました。


それは・・・♪ 「あ~かいお顔の右大臣」 でした。
一人だけ赤く染まった 「右大臣」 の顔が、妹には美味しそうに見えたのかもしれません。
お陰様で、我が家の 「右大臣」 には、両の眉毛がありません。
毎年お雛様を飾るたびに、この話になってみんなで笑います。


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それぞれにある 「お雛様」 の思い出。
「お雛様」 も、きっとそれぞれの 「家族の思い出」 を、一緒に見ているのでしょうね。
それぞれの 「思い出」 にふれた今年の 「雛祭り」 は、ひと際 「思い出深い」 ものになりました。


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斎理屋敷での朗読はこちら http://www.stage-up.info/person/cat1/post-54.html
お茶会での朗読はこちら  https://www.stage-up.info/contents/cat9/post-43.html