「大人のための朗読会」 を終えて (優美)
西道路のトンネルを抜けると晴れた空が広がり、雪がいっそう眩しく光っていました。
そのあたりは街中よりも山に近く、積雪があり、気温もいく分低いようでした。
震災で延期になっていた「大人のための朗読会」
会場は仙台市の西部にある、広瀬図書館です。
長野代表を先頭に、職員の方々にご挨拶をすると、皆さん笑顔で迎えて下さり、
緊張感がほろりととけて、なんだかうれしくなりました。
図書館は、自習をする学生、ソファにかけて友達とゲームで遊ぶ子ども達、本を読み耽る人など、
地域の人々とフラットに繋がる雰囲気が、強い引力となっているようでした。
そして始まった朗読会は、熱心に耳を傾けて下さるお客様の 「気」 が
読み手の私達から 「真摯なもの」 を引き出してくれました。
特に、最後にお客様と一緒に、詩の群読をした時には、
絶対に泣くまいと心に決めていたのに、
右を向いても左を向いても涙を流す顔が目に入り、
途中で長野代表の声までとまってしまい、ついに私も降参でした。
自分の足で歩けて、トイレに紙があって、明日が来て・・・
今まで 「当たり前のこと」 だと思ってきたことが、本当は 「奇跡」 だった・・・
震災前にも同じ詩を読んだのに、震災前とは全く違う心境でした。
震災は、心の深いところにも物凄い変化を与えていました・・・
「魂と身体に記憶されたすべては有限である」 という実感が溢れ出たひと時でした。
心を揺らすのは、エネルギーが要りますが、
心を揺らして動かして、ただ てくてくと歩いていく。
今日も明日も明後日も・・・
それが明日への活力になる、私はそう信じています。
寒い中足を運んでくださったお客様、お招き頂いた広瀬図書館の職員の皆様、
ほんとうにありがとうございました。
今回の朗読会は、私にとっても思いの深い朗読会になりました。