「杜の音」 の朗読ボランティアに参加して (小笠原清子)

  
朗読メンバーブログ [posted:2016.05.01]

4月21日㈭

自然に囲まれた 「ギャラリー杜の音」 は、若葉の季節になりました。
前庭には、きれいな花が植えられ、目にも鮮やかな草木が、私達を迎えてくれました。
今日も、皆さまに楽しい時間をお過ごし頂けるよう頑張らなくてはと、自分に気合いをいれました。

今回私は、初めて 「昔話」 に挑戦しました。
「読みがたり......宮城のむかしばなし」 の中から 「ほうらじ山の山ナシ」 というお話しです。


みやぎの昔話なので全編が 「方言」 で書かれていて
それは......幼い頃、祖母が優しく話して聴かせてくれたような、言葉でした。


「分かる......私にもわかる内容だわ......懐かしい方言だわ......」 と
宮城の田舎生まれのわたしには、ぴったりかなあ~などと思っていましたら・・・・・
な・な・な・な・なんと......実際に朗読してみると......方言の物語は難しいと実感しました。


そして、長野先生にレッスンしていただきながら......
方言を自分の言葉にして、皆さまにお聴かせできるようと、練習しました。


「ほうらじ山の山ナシ」
病気の母親の......「ほうらじ山の山ナシというものがたべてみたいなあ......」
という言葉を聞いた三人の息子たちが、母親に食べさせたいという一心から、
まだ見たこともない 「山ナシ」 を探しに、行ったこともない 「ほうらじ山」 を目指して
勇気を出して旅にでる......というおはなしです。


息子たちの名前は、「太郎、次郎、三郎」 と、昔話らしい名前です。
「ほうらじ山には鬼がいて、簡単には山なしを取りにはいけない」 と、教えてくれたのは、
旅の途中に寄った茶屋のおじさんでした。


面白いのは 「方言での表現」 で、地の文も会話も、全部方言です。

★お兄ちゃん......あんつぁん
★おじさん......おどっつぁま
★茶屋......茶屋っこ


茶屋のおじさんがお兄ちゃんに話しかけるところは......

おじさん 「あんつぁん、あんだ、どごさ行くのっしゃ?」
一 郎 「俺すか?おれは、ほうらじ山さ、山ナシ取っさ行くのでがす」

などなど......面白いですね。


物語は太郎が初めに1人でほうらじ山を目指しますが、言ったきり戻ってきません。
太郎の身に何かあったのではと、次郎が続きます......。しかし、その次郎も帰ってきません。


実は、鬼がいるほうらじ山で帰って来られない理由がありました。
待てど暮らせど帰らない、太郎と次郎を探しに、元気いっぱいの三郎が旅にでます。

そして、三郎は鬼を降参させて、二人の兄を救いだし、
ほうらじ山の山ナシをいっぱい背負って、母親の待つ家へ持ち帰り......
お母さんに山ナシを食べさせると、お母さんの病気はぐんぐん良くなりました。

「めでたし、めでたし」 と、読み終えたところで、皆さまから拍手をいただきました。
「方言が、とても良かった」 「楽しかった」 と、言っていただきました。
ありがとうございました。読んでよかったと思う瞬間です。


朗読ボランティアの日を楽しみにしていてくださる皆様に
ほっと安らぐひとときをお届けできるように、これからも頑張りたいと思います。

小笠原清子

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