初めて 朗読劇 に出演して (三浦由子)
12月3日㈯ せんだいメディアテークのスタジオシアターで、朗読劇 「口紅のとき」 が上演されました。
実は私は、今年(平成28年)の4月に朗読を始めたばかりの初心者です。
6月末に、思いがけず長野先生より朗読劇の出演依頼を受けた時には、
「朗読って楽しい。もっともっと上手くなりたい」 と思っていたところでしたので、「やります!」 と即答してしまいました。
ですが、最初のころ、自分の読みを録音して聴いてみると、ぶつぶつ文章が切れているのです。
我ながらひどい読みでビックリしました。
図書館から 「朗読」 と名のついている本を片っ端から借りて読み、自分の読みを録音して何回も聴きました。
レッスンで、先生と一緒に 「18歳」 を読み解くと、当初自分で読んでつかんだつもりでいた内容と、
全然違う深い世界が見えてくるので、本当に驚きました。
10分ほどの短編ではありますが、作者の角田光代さんは、
言葉の端々まで世界を構築していて、天才ではないかと思いました。
初恋の切なさを描いた 「18歳」 は、何回読んでも飽きることがないのです。素敵な作品をいただけて幸運でした。
また、小関佳宏さんの 「星の名前」 というギター曲に合わせると、自分で言うのも何ですが、実にいいのです。
長野先生の選曲さすがです!
しっかりとイメージできれば、読みが変わるし、聴いている方に伝わるというのですが、
もしかすると、本をさらりと読んだだけ以上のものを 「朗読」 は伝えることができるのではないかと
その可能性にワクワクいたしました。
しかし、今回は 「朗読劇」 です。
私の役は、高校の卒業式の日に、同級生の彼氏から 「1本の口紅」 をプレゼントされる 「18歳」
声は 「18歳」 になれても、この年で 「18歳」 の姿をするなんて、おかしく見えないかしら...。
一度録画した自分の姿をみたところ、ひどすぎてガッカリしました。
おずおずと恥ずかしがっていると変に見えます。な りきるしかないと覚悟しました。
「私は18歳」 そして 「ここは通学路の川べり」 と自分に言い聞かせながら舞台に臨みました。
レッスンでの朗読は、毎回緊張して震えてばかりでしたが、本番では不思議とあまり緊張もせず、
暗い客席は、時折咳は聞こえるもののシンと静まり、聴いていただいていることがわかり、
満ち足りた気分で最後まで行けました。
他の出演者の皆様の朗読も毎回とても参考になりましたし、ともに励まし合って頑張ることが出来ました。
自分も含めて、本当によく頑張ったと思います。
今回、お声がけいただき、ほめて育てていただき、長野先生には本当に感謝しております。ありがとうございました。
この経験を糧にして、今後も朗読を続けて行きたいと思っております。
当日は 「奇跡の満席」 で本当に大変だったようですが、多くのスタッフの方々にご協力いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
また、お忙しいところ足を運んで下さいましたお客様、真剣に聴いて下さり本当にありがとうございました。 (三浦由子)