初めて 朗読劇に参加して (渡部敦子)
今回、「朗読劇に出てみない?」 と、長野先生からお声掛け頂いた時、
「朗読劇」 って一体どんな風な読み方をするのだろう・・・と、不安を感じつつレッスンに入らせて頂きました。
初心者の私は、右も左もわからぬまま指導を受け、やればやるほど難しく、なかなか思う様に出来ず焦りました。
私が頂いた役は、「47歳」 の時
17歳の娘の誕生日に 「口紅」 を贈る 「母親」 という設定です。
私自身 「娘」 がいて、その娘が年頃になった時、作品と同じような気持ちになったことがあって、
その時を思い出しながら、少しずつ作品に近づいていくことができました。
そう言えば、先生が私に声を掛けて下さった時、
「渡部さん、お嬢さんいらっしゃる?」 とおっしゃったことが、後になって理解できました。
今回の役には、「娘への母親の気持ち」 が、必要だったのです。
レッスンを重ねる中で、たくさんの発見もありました。
はじめは、動きをほとんど付けづに読んでいたのですが、ある時動きをつけてみたら、その方が自然に読めたのです。
そして、レッスンを重ねる度に、しだいに、こういう読み方をするのかと、理解していきました。
色のない世界に色がつき始め 、景色が出来上がっていくのだなと思い、言葉の素晴らしさをあらためて感じました。
とにかく間違わないように・・・と、それだけで頭がいっぱいでしたが、何とか無事、演じることができました。
もちろん、他の先輩方に比べれば、まだまだなことは十分わかっていますが、
今の自分に出来ることは、すべて出し切ったという感じです。
ここまで来る事が出来ましたのは、先生のご指導の賜物です。
なかなか思う様に出来ず苦労もしましたが、とても良い勉強をさせて頂きました。本当に有り難うございました。
当日は、母と娘が見に来てくれました。
見送りのとき、母が私に言ってくれました。
「ステージに立つあなたを、よくやったと抱きしめてあげたかった」
嬉しいひと言でした。
これが偽りのない 「子を思う親心」 なのだと、思いました。
そしてそれは、私の 「娘への思い」 と、そのまま重なるものでした。
何より母が喜んでくれましたので、多少の孝行は出来たのかな?と思っております。
お越し頂いた皆様、応援して頂いた皆様、ありがとうございました。
今回の経験を糧にして、これからも朗読を続けていきたいと思います。 (渡部敦子)