『口紅のとき』 ふたたび (八幡靖子)

  
朗読メンバーブログ [posted:2016.12.18]


角田光代 原作 「口紅のとき」 は、私にとって、昨年に続き2回目となる朗読でした。


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一人の女性の人生の折々に登場する1本の 「口紅」 を通して、その女性の 「生き方」 が描かれるこの作品。
私が演ずる 「79歳」 は、いわゆる老人ホームに入所していて、
月に1度訪れる家族にも、ホームの人たちにも心を閉ざし、一日中黙っているという設定。


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そんな彼女が、デイケアの 「メイクスタッフ」 から手渡された 「一本の口紅」 を糸口に、
自分の人生を振り返り、「言葉」 を取り戻すというストーリー。


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今回も自分に課したことは 「1日1回は必ず読むこと」
とにかく毎日作品と向き合う中で、自分の中で作品が更に変化していくのがわかりました。


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「79歳」 の役は、自分の年齢に近いこともあり、自然に役に沿うことができましたが、
その中でも、私が一番好きなセリフは


「皺の一本一本に、しみのひとつひとつに、私の過去がある。
私の過ごしてきた日々は、すべて私の顔のなかにある」
 


今でもこの 「セリフ」 が口をついで出てきます。


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昨年は、どちらかというと 「へそ曲がり感」 の方が強く出てしまいましたが、
今回は彼女が持つ 「孤独感」 を出せたらいいなと思って演じました。


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また昨年は、「18歳」 と 「38歳」 と 「79歳」 の3人のダイジェストでしたが、
今回は、「6歳」 ~ 「79歳」 まで全8役が揃ったことで、人生の流れがより一層明確に浮かび上がったように思います。


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昨年共演した仲間も見に来てくれて、「昨年より更に進化したね!」 と言ってもらったことが、とても嬉しかったです。
応援してくれた友人に心から感謝です。ありがとうございました。


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また、ここまで導いてくださった長野先生には、そのご苦労を思い 「 流石!! 長野先生!!」と 尊敬と感謝の気持ちでイッパイです。
先生のお陰様で、聴いてくれた友人達から お褒めの言葉を頂きました。本当にありがとうございました。


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「文字」 を 「言葉」 にして届けることの醍醐味を改めて感じた今回。
これからも更に一層精進しなくてはと思っています。  (八幡靖子)