朗読劇 「口紅のとき」 上演のご報告 (長野淳子)
12月3日㈯ せんだいメディアテーク7階の スタジオシアターにおいて
ステージ・アップ主催の朗読劇 「口紅のとき」 が上演されました。
角田光代 原作のこの作品は、
人生の折々に登場する一本の 「口紅」 を通して、一人の女性の 「生き方」 を描いた 「短編小説」 です。
この作品は、昨年の朗読会でダイジェスト版を朗読したところ、好評を頂いたもので、
それを受けて今年は、ステージ・アップの朗読メンバー8人で、全編をお届けすることになりました。
当日はお天気にもお恵まれ、開場30分前からぞくぞくとお客様がお見えになり、受付には長蛇の列。
また、出演者へのお祝いの花束やプレゼントなどが続々と届き、受付けは大わらわ。
まさかの満員御礼で開演時間が押すなど、冷や汗をかくこともありましたが、お陰様で何とか無事に上演することができました。
私の役は、輸入雑貨を扱う会社で、企画部の主任を任されている 「38歳」 のとき。
デパートのフロアの鏡に映った自分を見て、あまりの姿に愕然とし、
あらためて自分が 「手に入れたもの」 と、「手放したもの」 に、思いを馳せる。
そして、かつて鏡に向かって口紅をぬる母親のうしろ姿を、じっと見ていた幼いころの自分を思い出し、
どんなに忙しくても 「一人の女性として口紅をぬる、ささやかな瞬間を手放さない」 と、あらためて心に誓う・・・・・というストーリー。
これは、私自身の歩んできた道と重なるところがあって、ちょうど同じ頃の自分や仕事、家族のことなどを思い出しながら演じました。
特に今回は、仙台出身のクラシックギタリスト、小関佳宏さんのニューアルバム 「STORY HOUSE」 の曲の数々が、
それぞれのシーンをとてもステキに、彩ってくれました。
今回は 「朗読劇」 と銘打って、「ひとり語り」 のスタイルをとりましたが、
出演者それぞれに、持ち前の個性と力を存分に発揮してくれて、お陰様で無事納めることができました。
公演には、学生時代の友人や、朗読講座の受講生、日頃から応援していただいている方々、
更に、東京や秋田など遠方からのお客様もおいでで、終演後のロビーはそれはそれは賑やかでした。
あらためて、今回の公演にお越し頂いた皆様、たくさんの応援を頂きました皆様、
私のこだわりに音を上げることなく最後までついてきてくれた出演者、
そして縁の下で支えてくれたスタッフの方々、その全員の方に心から感謝を伝えたいと思います。
皆様から頂いた 「言葉」 を糧に、これからも 文字に命を吹き込みながら、
「言葉を心の窓にして」 様々な作品を伝えていきたいと思います。本当に、ありがとうございました。
お越し頂いたお客様からの感想はこちら
http://www.stage-up.info/voice/cat25/28123.html