ギャラリー杜の音の 朗読ボランティアに 参加して  (野呂光江)

  
朗読メンバーブログ [posted:2017.01.31]

ギャラリー杜の音の朗読には、毎回携わりたいと思いながらもスケジュールがなかなか合わずとても残念で、
やっと今回2回目の朗読をさせて頂くことができ大変光栄でした。


何故、こんなにも伺うのが楽しみだったかと言いますと、皆様が本当に真剣に耳を傾けて下さり、
思わず目頭が熱くなる程だからです。まさしく、演者冥利に尽きるとでもいいましょうか...。


今回の作品は、長野先生からの提案で、倉本聰 作 「ニングルの森」 より 『お札』 でした。
北海道の山奥に住む、体長わずか十数㎝の先住民・ニングルのお話です。


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利便性を追求し自然を破壊していく人間と関わりを絶って生活をしながらも、時には噂で伝えられる人間社会。
人間の創り出した文明について皆で語り合う、その会話を中心に展開していく物語。


お札(お金)は、何のためにあるのかを、ニングルのピュアな目線で語られていくなかで、
私自身、本当の豊かさとは何なのだろう??と、じんわり考えさせられながら読ませて頂きました。


4人で役分けをし、私は地の文(語りの部分)を担当しました。
事前の長野先生のレクチャーでは、物語の背景を説明する文章は、わかりやすく伝わる様に少し引いた目線で。


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ニングル達が置かれている状況を表す文章は、自分も聞き手も本当にその場面に引き込む様に。...と、
メリハリをつけることを教えて頂きました。


実際に皆さんの前で朗読してみると、最中に 「は~...なるほど」 「あら~ ...」 等といったお声や、
笑みと共に反応が返ってきて、とても高揚しました。


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思い起こせば、私が初めて長野先生の朗読に触れる機会を頂いたのは、10年程前だったでしょうか...。
稲妻が体の中を走ったかの様な衝撃を受けたことを今でもはっきりと覚えています。


言葉とは、文章とは、解釈の深さ・読み方次第でこんなにも表情がつき、又その姿をこんなにも変えるものかと... 。
動くはずのない人形に命が吹き込まれ、やがて動き出してゆく様なイメージ。


今、先生から実際に朗読を教えて頂くなかで、初見で私が読み上げる平面的な文章が、
少しずつ奥行きをつけて立体になってゆく感じを味わいながら、
自分が自分でないような感覚すら覚える瞬間もあり、興奮してしまいます。全て先生のご指導に習ってのことです。


次回は自分でチョイスした作品にチャレンジし、杜の音の皆様にお届けできることを楽しみに頑張りたいと思います。
お聴き下さった皆様、そしてとても御親切に対応して頂いたスタッフの皆様、有り難うございました。 (野呂光江)


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