「亘理での 懐かしい再会」
先日、東京からの客人を、亘理の荒浜に案内した。
そこは、遠方から客人が来ると、海の幸を食べによく行ったところだった。
その人は
「被災地を訪れ、そこで買い物や食事をすることで、少しでも被災した人々の役に立ちたい。
それぐらいしか自分にはできないから」 といった。
それぞれの 「支援の仕方」 があると思った。
津波で甚大な被害を受けた荒浜は、今かさ上げ工事が着々と進んでいる。
その荒浜に昨年の3月、新たな観光拠点が誕生した。
その名も
「亘理町荒浜 にぎわい回廊商店街」
アルミ製のアーケードが目を引く商店街は、全天候型のような雰囲気になっていて
メーンストリートには、サーフショップ、海鮮丼などを提供する食堂、カフェ、居酒屋など
震災後、ふるさと復興商店街で営業を続けてきた店を含む8店舗が入り、
それぞれ荒浜の地から再出発を果たしていた。
私たちは、その中の 「魚屋ひで」 という食堂に入った。
店の中には、焼き魚など地元亘理の海の幸が、美味しそうに並んでいた。
そこで、嬉しい 「偶然の再会」 があった。
店に入り料理を注文していると、注文を受けていた女性が、
私の顔をしげしげとみながら 「長野さんですよね」 と言った。
「はい」 と答えながらも、なかなか思い出せないでいる私に、その女性は言葉を続けた。
「わたし21年前に長野さんに披露宴で司会をしてもらいました!」
「翌年生まれた息子は、今年二十歳になりました!」
そして、
震災で自宅は全壊になったが、家族は全員無事ですでに自宅を再建したこと。
今は、同級生のお父さんがやっているこの食堂を手伝っていること。
などを、明るく屈託のない笑顔で話してくれた。
覚えていてくれたことに感激しながら、声を掛けてくれたことに感謝しながら、
震災後の年月を一生懸命歩いてきたであろう彼女の笑顔に、心から拍手をおくった。
今度は、お客さんをいっぱい連れてくることを彼女に約束して、私たちは店を後にした。
久しぶりに、大きな力をもらったような気がした。
なんとも嬉しい 「偶然の再会」 だった。
★「震災から2か月」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-34.html
★「被災地の人になって」 http://www.rodoku.org/news/201107rodoku.pdf
★「被災地での朗読ボランティア」 http://www.rodoku.org/news/2012spring.pdf
★「朗読ボランティアの報告」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-53.html
★「あの日から1年」 http://www.stage-up.info/person/cat1/1.html
★「あの日から1年半」 http://www.stage-up.info/person/cat1/1-1.html
★「朗読と涙」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-69.html
★「白いネクタイ」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-70.html
★「震災番組出演」 http://www.stage-up.info/person/cat1/311.html
★「忘れないということ」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-78.html
★「震災番組に思うこと」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-172.html
★「あの日から4年」 http://www.stage-up.info/person/cat1/4-1.html
★「あの日から5年」 http://mbp-miyagi.com/stage-up/column/13065/