「山形の食堂で」
【投稿日:2012.10.25】
先日、銀山温泉に向かう途中で立ち寄った、小さな食堂での出来事です。
偶然立ち寄ったその店は、入った途端、まるで昔からの知り合いのように
親方はじめ、女将さんや店員さんも、みんな親しげに話しかけてくるのです。
「よぐ来てけらっしゃったなあ~暑がったべえ」
「これでも飲んで、ひと息入れでけらっしゃい」
そういってまず出されたのは、冷たいそば茶。(これが実に美味!!)
そして「料理ができるまで、これちょっとつまんでで」 と出されたのは、自家製の漬物。
続いて今度は、頼んだ料理の、ボリュームにびっくり。
どちらも悠に2人前はあるのではないかと思うくらい、たっぷり。
更に、席のそばを通るたびに、
「味はどうだい? 口に合うがい?」
「おかわりあるがら、遠慮なく言ってけらっしゃい」 と声をかけられ
とどめは、頼んでいない料理が出てきて、
「これ、夜のメニューとして作ったんだげんと、食べでみでけらっしゃい」
それは魚のあら汁で、実にいいだしが出ていて美味しかったので
作り方を親方に聞くと、家庭で作る時のちょっとしたコツを教えてくれたり・・・
本当に温かいもてなしに、まるで久しぶりに実家に帰ったような気持ちになって
私たちは、すっかり長居をしてしまいました。
そして会計をして店を出る時、なんと親方と女将さんが一緒に外に出てきて
2人でわざわざ見送ってくれたのです。
「今日は来てくれで ありがどない」
「また来てけらっしゃい」
「気をつけで行ってない」
そう言って、親方と女将さんは、私たちの車が見えなくなるまで、手を振って見送ってくれました。
「また来ようね」 そう言いながら、おなかもいっぱい、心もいっぱいの私たちでした。
本当に、また行きたいと思います。